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2020/12/25

第13回神林賞(日本美術教育学会実践研究奨励賞)決定

固定リンク | by:事務局
11月14日(土)に行われました、一般社団法人日本美術教学会委員総会におきまして、第13回神林賞(日本美術教育学会実践研究奨励賞)について、選考委員長の横山徹氏より選考委員会見解が提出され、審議の上、以下の通り決議されました。
受賞されました足立彰先生におかれましては、おめでとうございます。
※本来でしたら、第69回瀬戸内大会での授賞式となる予定でしたが、今年度は新型コロナウィルス感染対策でオンデマンド発表となったため、授賞式は第70回京都大会において行いますが、今年度の第13回神林賞として授与されます。


1:授賞者 

足立 彰(京都教育大学附属京都小中学校教諭)

2:対象研究

・中等教育における「造形あそび的活動」を起点とした授業展開の可能性について(第67回日本美術教育学会学  

 術研究大会三重大会 大会研究発表『美術教育』第303号掲載)

・中等教育における「造形あそび的活動」を起点とした授業展開の可能性について -その2「発想が共鳴しあう活動」-(第68回日本美術教育学会学術研究大会東京大会 大会研究発表『美術教育』第304号掲載)

3:推薦人

   細谷 僚一(京都支部長)

4:授賞(選考)理由

 足立彰氏の実践研究は京都教育大学附属京都小中学校(義務教育学校)における『造形あそび的な活動』を起点とした授業の可能性についてであり、初等教育段階の「造形遊び」を中等教育段階にまで拡大したことに独自性がある。

 授賞対象研究の「中等教育における『造形あそび的活動』を起点とした授業展開の可能性について」(第67回三重大会 )は、7年生(中学校1年生)を対象とした「新聞でアートを!」の実践報告である。「個」のみでは発展進化しにくいテーマ性の追求や技法の開発、素材の活用方法として、「ためしを取り込んだ創造活動」の試みである。具体的には生徒が新聞紙を編む、ねじる、細かく切る、ペースト状にする、粉末にするなど、分析的な「ためしを取り込んだ創造活動」を取り入れることによって、創造的な思考力を高め個々のイメージを喚起する効果が見られることを検証している。創造的な思考の向上を目的とした「造形遊び」の要素は中等教育段階においても有効であることを示した。

 次に「中等教育における『造形あそび的活動』を起点とした授業展開の可能性について-その2「発想が共鳴しあう活動」-(第68回学術研究大会東京大会)は、6年生を対象とした国語科との横断的な連携課題の「墨絵の世界へ」である。この題材では、上記実践研究と同様に「ためしを取り込んだ創造活動」の試みに加え、氏の近年の研究テーマである、個人から小集団、さらに学級集団など、他者との関係を意図的にコーディネートすることによって相互学習の深い学びへと発展・深化させている。これらの実践研究に共通する点は、氏が長年に渡る指導経験を基盤に、児童・生徒と真摯に向き合い、省察と改善を繰り返すことによって、個人の価値意識の更新に関わるような質の高い教育効果を生み出しているところにある。 

 足立氏は上記の実践研究から見られるように、図画工作・美術科の表現活動にはすべて「造形遊び」の要素が含まれているとの仮説から、1年生から9年生に至る義務教育期間を「造形遊び」「造形あそび的活動」「ためしを取り込んだ創造活動」とし、発達段階的に振り分けた教育実践を展開していることが大きな特徴である。このような義務教育期間を通底させる「造形遊び」の捉え方や指導プロセスは、近年の美術教育学会においても話題性が高く、予測困難な変化の時代を生きていく際に、重要な資質や能力の基になる。よって、今日的・将来的意義を見出す上で極めて貴重な実践研究であり「美術教育実践研究奨励賞」にふさわしいと判断した。



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