11月14日(土)に行われました、一般社団法人日本美術教学会委員総会におきまして、第13回神林賞(日本美術教育学会実践研究奨励賞)について、選考委員長の横山徹氏より選考委員会見解が提出され、審議の上、以下の通り決議されました。
受賞されました足立彰先生におかれましては、おめでとうございます。
※本来でしたら、第69回瀬戸内大会での授賞式となる予定でしたが、今年度は新型コロナウィルス感染対策でオンデマンド発表となったため、授賞式は第70回京都大会において行いますが、今年度の第13回神林賞として授与されます。
1:授賞者
足立 彰(京都教育大学附属京都小中学校教諭)
2:対象研究
・中等教育における「造形あそび的活動」を起点とした授業展開の可能性について(第67回日本美術教育学会学
術研究大会三重大会 大会研究発表『美術教育』第303号掲載)
・中等教育における「造形あそび的活動」を起点とした授業展開の可能性について -その2「発想が共鳴しあう活動」-(第68回日本美術教育学会学術研究大会東京大会 大会研究発表『美術教育』第304号掲載)
3:推薦人
細谷 僚一(京都支部長)
4:授賞(選考)理由
足立彰氏の実践研究は京都教育大学附属京都小中学校(義務教育学校)における『造形あそび的な活動』を起点とした授業の可能性についてであり、初等教育段階の「造形遊び」を中等教育段階にまで拡大したことに独自性がある。
授賞対象研究の「中等教育における『造形あそび的活動』を起点とした授業展開の可能性について」(第67回三重大会 )は、7年生(中学校1年生)を対象とした「新聞でアートを!」の実践報告である。「個」のみでは発展進化しにくいテーマ性の追求や技法の開発、素材の活用方法として、「ためしを取り込んだ創造活動」の試みである。具体的には生徒が新聞紙を編む、ねじる、細かく切る、ペースト状にする、粉末にするなど、分析的な「ためしを取り込んだ創造活動」を取り入れることによって、創造的な思考力を高め個々のイメージを喚起する効果が見られることを検証している。創造的な思考の向上を目的とした「造形遊び」の要素は中等教育段階においても有効であることを示した。
次に「中等教育における『造形あそび的活動』を起点とした授業展開の可能性について-その2「発想が共鳴しあう活動」-(第68回学術研究大会東京大会)は、6年生を対象とした国語科との横断的な連携課題の「墨絵の世界へ」である。この題材では、上記実践研究と同様に「ためしを取り込んだ創造活動」の試みに加え、氏の近年の研究テーマである、個人から小集団、さらに学級集団など、他者との関係を意図的にコーディネートすることによって相互学習の深い学びへと発展・深化させている。これらの実践研究に共通する点は、氏が長年に渡る指導経験を基盤に、児童・生徒と真摯に向き合い、省察と改善を繰り返すことによって、個人の価値意識の更新に関わるような質の高い教育効果を生み出しているところにある。
足立氏は上記の実践研究から見られるように、図画工作・美術科の表現活動にはすべて「造形遊び」の要素が含まれているとの仮説から、1年生から9年生に至る義務教育期間を「造形遊び」「造形あそび的活動」「ためしを取り込んだ創造活動」とし、発達段階的に振り分けた教育実践を展開していることが大きな特徴である。このような義務教育期間を通底させる「造形遊び」の捉え方や指導プロセスは、近年の美術教育学会においても話題性が高く、予測困難な変化の時代を生きていく際に、重要な資質や能力の基になる。よって、今日的・将来的意義を見出す上で極めて貴重な実践研究であり「美術教育実践研究奨励賞」にふさわしいと判断した。
112月2日(水)13時より
外国人記者クラブにて、人文・社会科学系学協会協議会連絡会が(英語版)「共同声明」を公表することになりました。
この「共同声明」には人文・社会科学系諸分野を横断する310学協会が参加・賛同しており、教育学分野からも30学協会が発出主体となり、21学協会が賛同しています。
日本美術教育学会も賛同しています。アルファベット順ですのでリストのトップに明記されています。
以下、外国人記者クラブ記者会見の動画URLもリンクさせております。
外December 2nd, 2020
Art Education Society of JAPAN
Japanese Academic Societies Unite to Release a Joint Statement to Protect the Independence of the Science Council of Japan
Japanese scholars have met the Prime Minister Suga’s decision to reject the candidacy of six humanities and social sciences scholars for the Science Council of Japan with grave concern. 226 academic societies in the humanities and social sciences in Japan issued a Joint Statement on November 6th. Since then, the number of co-signers has reached 310. On December 2nd, they issued the same statement in English, gave a press interview and appealed to scholars and citizens worldwide for support and cooperation.
The Science Council of Japan, which is a national academy and not a federation of academic societies, does not directly represent the interests of the societies. Nevertheless, the societies are deeply concerned with the issue as the Prime Minister’s rejection of appointment not only violates the independence of the Science Council of Japan but also further threatens academic freedom, autonomy and democracy in Japan.
See the interview video on the Joint Statement: https://youtu.be/47unG8Y0-JQ
As one of the societies that have co-signed the Joint Statement, hereby Art Education Society of JAPAN also releases it.
Please send your supportive message to:
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdG8c42G4jnqvV3WygBNkttnEAzIeB-UiHMcOMhtE-INn0z3w/viewform?usp=sf_link
Joint Statement.pdf
日本美術教育学会京都支部オンライン研究会(滋賀支部・大阪支部・兵庫支部共催)No23を開催します。
オンラインですので全国どこからでも参加出来ます。奮ってご参加下さい。
(会員以外の一般の方も参加出来ます)
「美術教育の新たな可能性」
日本美術教育学会京都支部研究会も23回目を迎えることとなりました。
今回は諸先生方のご尽力により京都支部に併せて滋賀支部・大阪支部・兵庫支部との共催として行う運びとなりました。
さて、内容は下記のとおり2つの研究発表です。これらの発表から多くの学びがあることはもとより、今回は京都だけでなく、より広い地域の方々とも意見交流ができるよい機会となりました。
京都市立西京高等学校の渡邉 野子先生からは、美術教育でのICTの活用についてご発表を頂きます。誰もが創造性を高めたり、多様な価値観を生み出したりすることのできるタブレットを活用したオンラインによる指導の可能性について、実践を踏まえながらご発表いただきます。
また、龍谷大学短期大学部こども教育学科の羽渓 了先生からは、ご実践の中から見えてきた、就学前の子どもたちとの活動に潜む課題や初等教育へのつながり、それらの課題に対するアプローチついてご発表いただきます。
今回も他支部会員の皆様も会員以外の方々もご参加いただけます。お忙しいとは思いますが、ご都合を付けていただき、お知り合いの先生にお声かけをして頂くとともに、ぜひご参加のほどよろしくお願いいたします。
■記
・ 日 時 2020年11月21日(土) 13:30開始~17:00終了予定(入室は13:00から)
・ 実施方法 オンライン【使用ツール:Cisco Webex Meetings】
・ 内 容
【1】研究発表
「ICTとオンラインによる新しい美術教育
~生徒の創造性と可能性を広げ、多様な価値とつながりを生み出す~」
渡邉 野子(京都市立西京高等学校)
【2】研究発表
「就学前の刷り込みとその後の課題」羽渓 了(龍谷大学短期大学部こども教育学科)
【3】報 告
「バーチャルリアリティ学会大会に参加して」 細谷 僚一(嵯峨美術大学芸術学部造形学科)
■ 参加費 無料
■参加申込方法
参加ご希望の方は、①ご氏名 ②ご所属 ③ご連絡先 ④当日オンラインで参加されるメールアドレスをご明記の上、
電子メールにてお申し込みください。
締切日は11月16日(月)です。
申込先 E-mail:ishiharamichio4@gmail.com 石原 通雄
開 催 8月20日~23日まで
参加者 76名(ログインした人)
ただし、現在のHPのシステムではパソコンからのログインしかカウントが出来ません。従いまして、この参加者分析は、パソコンからの参加者の状況となっておりますことをご了承下さい。
第69回学術研究大会瀬戸内大会に代わる、オンライン発表が今回初めて開催されました。事務局も発表者も初めてのことで、行き届かないこともあったかもしれませんが、「発表を見終わった後、モニターに向かって思わず拍手をした」というコメントが出たほどに成功であったと思われます。
今回は、会員のみが視聴出来るしシステムであったので、参加者に於ける会員の比率は出せませんが(100%会員である)参加者の内訳は次の通りとなっております。
(参加者内訳)
小学校教諭 13%
中学校教諭 9%
高校教諭 1%
大学教員 58%
大学院生 5%
学芸員 3%
画塾主宰 4%
その他 7%

(アンケートや質問などから出てきた今回の内容と課題)
会場に集まって臨場感を持ち、発表を聞き、討議出来ることは確かに大切であるが、今回のように
・自分の都合に合わせて発表が聞けること、
・繰り返し見ることが出来ること、
・本来ならば行けなかった大会日程だが自宅で見ることが出来ることで参加できたこと、
・大会では一つの発表しか聞けないがオンラインならば全部の発表を聞くことが出来る
など、初めてのオンライン発表には好意的な感想が多かった。
対面で大会が出来なかったことへの不満が書かれなかったほどに、オンライン発表は成功だったと思われる。
ただ、将来的に続けていけば、動画の画質(声が小さいor大きくて声が割れる、見づらいなど)の品質の差が問題となるかもしれない。そういう意味では発表者は発表だけでなく技術的なことも求められるのかもしれない。
また今後、対面での大会があったとしても、今回のようにオンラインもしくはアーカイブなどで発表が見ることが出来るのを望まれている人が多く、問題や課題(誰もが見ることが出来る様になれば、会費を払って大会参加した人はどうなるのかということを考えるとアーカイブ視聴には代金を取るのか?とか。大会の動画を誰が撮るのか、とか。機材はどうするのか、とか。)はあるにしろ検討材料として前向きに取り組むことも必要ではないだろうか。
なお、今回の発表を視聴したい為に入会された会員が2名。
これもオンライン発表の成果の一つ!
アンケート結果(回答は15名)
質問:今回のオンライン発表を視聴しての感想は?
満足 14名
どちらでもない 1名
不満 0名
(アンケートの内容)
・多くの発表を自分だけで集中して聞くこともでき、また巻き戻し繰り返し視聴することで、いつもの学会以上に深く理解できたように思います。発表者の皆さんの準備行き届いたプレゼンによるところも大きいでしょう。
その場で参加者同士の質問や意見は聞けず、その点の学びはコメント欄だけでは補えませんが、事務局諸氏のご尽力により満足感の高い学会・研究会であったと感謝するばかりです。
オンデマンド配信と組み合わせて分科会をZoomなどで設定し、発表者や参加者と意見交流できる場があれば、互いに学びを深められたかと思います。
・発表の内容に共感するものがあり、今後の参考にしたいと思いました。ありがとうございました。
オンラインでの発表もしっかりと聞け、立ち止まることができいいところがあると思いました。
・これだけ見やすく、快適なオンライン/オンデマンド式の発表を視聴できたのは、大橋先生と石川さんのお力あってこそだと感じました。この場を設定するために、多くの時間を費やし、ご準備くださったことと思います。本当にありがとうございました。
会場に集まって、臨場感のある中で発表を聞き議論できることの意義は大きのですが、今回の機会を設定してくださったことで1つ1つの発表をゆっくりと聞き、自分なりの考えを整理した上で質問などのコメントができたのでとてもよかったと感じました。ありがとうございました。
瀬戸内大会の開催に向けて時間をかけて準備を進めてくださいました、鳥越先生、大橋先生、清田先生をはじめ、大会実行委員の皆様、本当にありがとうございました。71回大会として実現いただけますこと楽しみにしております。コロナの終息を願っています。
また、このオンライン発表に合わせて、来年の京都大会の準1次案内もアップしてくださりありがとうございます。京都大会実行委員会と事務局の皆様の細やかな準備により魅力的な大会の骨子が伝わってきます。どのような形での実施になるか不安ですが、このような状況においてさらに重要である美術教育について皆様と議論できれば幸いです。第69回大会、本当にありがとうございました。
・様々なことが予測できない中、学びをとめないさまざまなご尽力に感謝申し上げます。準備されていたことも多い中これ以上難しい開催であったと思います。
今後オンラインも含めての開催を考える必要があると思いました。京都支部も苦労されています。
・自分の都合の良い時間にアクセスできるため。何度でも視聴できるため。
・コメントが長い人が多いですね。回答する発表者が大変だと感じました。
今回の研究発表の基盤を作っていただいた大橋先生始め、学会事務局に深く感謝いたします。
・とても、入りやすく、わかりやすかった。
大変意義深いコメントも読むことができるので、いつもより以上に深く発表を理解できた気がする。今後もこうした多様な研究交流ができると良いと感じました。
・コメントの回答が推敲できるため、自分の答えをまとめて返すことができた点。
仕事もあるので、時間が空いた時にじっくり閲覧できる点
発表者以外のコメント記入の時間は例えば20時までのように区切ってみてはどうでしょうか?(もしご案内に明記されておりましたら失礼いたします)
・オンデマンドで、参加者の都合の良いときにアクセスする方式だったので、仕事と両立できた。次年度は対面式の大会とともに、オンデマンドも両方開催していただけるとありがたいです。
・時間を縛られず、ゆっくりと視聴することができた。
・発表を繰り返し聴き直すことができ、より深く発表内容を理解できました。また、予定通り四国で大会実施であれば職務の関係で大会には参加できませんでしたが、オンラインだったのでさまざまな発表を聴講でき、ありがたかったです。
昨年までの発表だと自分が発表者の立場だと同じ時間帯の他の発表を聴けないというデメリットがありましたが、今回のオンライン発表だとそのデメリットが克服できますね。今後、対面式だけでなくオンライン発表も継続していただけるとありがたいと思いました。
・研究大会に参加したい時、退出したい時、いずれも時間を気にせずにできる事により、他の業務を犠牲にすることなくできたので大変助かりました。また、発表を視聴するにあたっても、聞き逃したりもう一度聞きたいと思ったところを繰り返し見ることができるのも、利点であると思いました。
対面による議論の方が、余白も感じる事ができ、より広い理解に繋がると思われます。オンデマンドによる議論では、要点のみ抽出されたかたちなので、より深い理解に繋がると感じました。
この度はコロナ禍という困難な状況の中、オンラインでの研究発表会という貴重な場を設定していただき、大橋先生はじめ実行委員の皆様、ありがとうございました。
・期間内であれば、どの時間帯でもアクセスすることができ、すべての先生方の発表を拝聴することができました。大変勉強になりました。ありがとうございました。
発表では、動画保存の方法等につきまして、大橋先生に大変お世話になりました。
本当にありがとうございました。また、原稿の件では、石川さんにも大変お世話になりました。本当にありがとうございました。
私のようなICTに不慣れな者は、Web発表なんて無理だと思っておりました。お力添えいただき発表の機会をいただけましたことに心より感謝をしております。本当にありがとうございました。
・聞き逃した時に戻したり、途中で動画を止めてじっくりプレゼン資料を見たり、自分の都合のよい時間帯に拝聴することができるなど、自分のペースで参加することができた。また、自分は遠方に住んでいるので、なかなか大会に参加すること自体が難しいので、ありがたかった。また、コメントを文章で読むことができ、とても勉強になりました。今後、大会が通常開催された際も、このようなオンラインという形で発表の様子の記録などを公開していただけると、ありがたいです。例えば重なって見ることができなかったり、大会自体に行けない場合もあるからです。
箇条書きで失礼いたします。
・複数の発表を、自分のタイミングで見ることができたため。
・聞き逃しても、巻き戻して何度でも見ることができたため。
・発表者としては、いただいたコメントを落ち着いて読み、返答をすることができたため。
・他の発表のコメントを読むことができたため。
・自分の時間のあるときに、すべての発表(それに対する感想や質問も含めて)をじっくり聞くことができました。はじめての試みで、ご準備、大変だったことと思います。このような機会をつくってくださりとてもありがたかったです。
一般社団法人 日本美術教育学会
第69回 学術研究大会
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2020年8月20日(木)〜23日(日)
日本美術教育学会HPでのオンデマンド発表及び質疑応答
※新型コロナウィルス感染拡大への配慮として日本美術教育学会HPにおけるオンデマンド形式による発表としました。
※学会会員の方は会報に同封しましたご案内の方法で「研究発表」ルームにお入りください。ログインIDは会員IDです。
※今回は学会員のみが参加できます。
※後日調整の後公開予定です。